Fall of the Bastards:「Dusk Of An Ancient Age」


Oakhelmなるフォーク/ペイガンメタルバンドとEngorgedなどのデス/グラインドバンドのメンバーにより結成された、US産、激情メロディック・ブラック/デスメタル・コア五人組、2004年2nd
Voは数年前に氏家Y太氏のグロジャケで話題になったLord Goreのベーシストです。
しかしメンバーのノリが全然ブラックじゃねぇ。いや、こーゆーの嫌いじゃないです(笑)


メンバー各々の出自が色濃く影響していると思われる、除情味あふれる慟哭のメロディを携えバルカン砲が如きブラストをスコココと交えながらドラマチックに突っ走るファストなメロブラスタイル。ブラックとしてはかなりメタル色が強く、スウェーデンメロデス系ブラックに近い感触。スタスタ軽快に疾走する炸裂感はハードコアさながら、また川のせせらぎとアコギによるしっとりインストなども収録されており、わかりやすくメロディアスな泣きのギターは時折ヴァイキングと見紛うほど。メロディ派ブラックメタラーは泣いて喜ぶに違いない(言い過ぎか?w)


ボーカルは素敵なブラッキン・スクリームを軸に迫力満点の獣がごときグロウルを披露しており、なかなかの実力者。Gravewormあたりに似てるかな。ややもすれば甘くなりすぎる楽曲にゆるぎない邪悪性を付与している。


曲の節々で聴かれる小技(ドラムやリフ)や曲展開がデス/グラインドコア的だったりして、このへんがスカッとした印象を与える要因となっている。
しかしほんとツインギターがいい仕事しておりまして、ブラックメタル的不穏リフをきっちり押さえつついちいち叙情的なフレーズをキメてくるもんだからたまらない!!
また、自分がブラックを聞く上でメロディと同じらい重視しているスピード感という点でもこのバンドは評価が高い。実にライヴ映えしそうな「わかってらっしゃる」速度で走っている。イイねっd(`・ω・´)
これらが結実した#6#7はとてつもなくかっこいい。


音質は良好。硬いドラムが気持ちいい。
#9〜#12はボーナストラックとしてライヴ音源が収録されている。わりとかっちり演奏しており、ファンもだいぶ盛り上がっている。これだけかっこよければ当然かw


久々に聴いたまっとうにかっこいいメロディック・ブラックメタル。
バシッとストレートにメタルをやりつつブラックとしても逸脱していない、なかなか意欲的な一枚。最近はあまりにもストレートすぎるブラックは途中で飽きてしまって一枚聴き通せなかったりしたんだけど、このバンドはいい意味で聴きやすく最後まで飽きずに聴くことができた(あまつさえ、今ヘビロテ気味)
ノルウェースウェーデンあたりのメロブラが好きな人はバッチリツボにハマるはず。
これはなかなかの掘り出し物じゃないんでしょうか。うにおんとかでかかってたら普通に売れる希ガス
喉越し爽やか、後味すっきりで、病んだ音源に疲れた時に聴きたい一枚。


・Fall of the Bastards @ myspace:超絶美形主人公はどーなった。