Nekrokrist SS:「Suicide」


フィンランド産高品質NSブラックメタルバンドの2007年1st。Vo&Gt&BaとDrの二人組。バンド名は略すとNSになるという寸法だ。
2000年結成って新人じゃんと一瞬思ったが、実はもう2008年なんだよね。90年代が基本みたいな感覚はそろそろ是正するべきかも。


Satanic Warmasterをガチャガチャやかましくしたような、爆撃が如き爆音で疾走する北欧型大空襲プリミティブブラックメタル。
フィンランドらしい寒々しくメロウなリフが前面に押し出されたファストなスタイルで、Satanic Warmasterよりひとまわりクサい、スペインのNazgulに近いメロディセンス。哀愁漂うというより哀愁を撒き散らしているようなタイプで、そこはかとなくペイガン風。
ズガガガガって感じのブラストとズパズパ疾走を使い分け、緩急をつけつつ終始突っ走っておりかなり勢いがある。凍てついた北欧リフとシャンシャン叩きっぱなしのシンバル、暴風ブラストが渾然一体となって凄まじい荒涼感を放っており、気持ちいいことこの上ない。


ヴォーカルは悪魔の子供が駄々をこねているような線の細い高音泣きガナリ絶叫「ひぃぁああ!!」「ぎゃあああ!!」の中間のような、なんかムズ痒くなる毛羽立った声。悲愴感が漂っている。いいねっ!??d(`・ω・´)


音質はジリジリしたギターとしっちゃかめっちゃかなドラムがやかましいスウェディッシュ系暴虐サウンド。ノイジーであるが程よくクリアであり、ストレスなく聴ける。ドラムの暴れっぷりもいかんなく発揮されるし、この音楽性にはこれくらいがちょうどいい。


どの曲もとてつもなくかっこいいんだけど、特に好きなのが#2#6#7
#2Nazgulチックなリフがかっこよすぎ。
#6は爆走後の疾走パートでのとびきりメロウなトレモロが鳥肌もの。
そして極めつけは#7。リフの良さもさることながら2分前からのオールドスクールな展開に完全KO。これはパナイ。涙腺決壊クラス。
続く#8もクライマックスにふさわしい泣きチューンだ。


8曲30分強とあっさり聴けるが密度の濃いハイクオリティな内容。
次々と繰り出されるツボを抉るようなメロウリフ、暴れるドラム、必死に叫び声を絞り出すボーカル・・・恥ずかしいくらいハマってしまった。
先日紹介したPrevalent Resistanceと同系統にくくっていいと思うけど、こっちの方が新世代らしいエネルギーに満ちており、また突き抜けてメロウ・コールドなため個人的には好み。まぁこの辺は嗜好の問題だろう。
とにかく、上記したようなバンドが好みならゴキゲンになれること間違いなし。激オススメ!!


・Nekrokrist SS on Myspace