Satanic Warmaster:「Strength & Honour / Marsch Zu Neuen Zeitaltern」
稀代のカリスマSatanic Tyrant Werwolf aka Nazgul氏によるメロウ・プリミティブ・ブラックメタルSatanic Warmasterの2001年1st。2007年リマスター&ジャケ差し替え再発盤。
実はこれ、2003年か2004年に1000枚限定で再発されたものをすでに持ってたんだけど、LPのみに収録されていた曲Legion Werewolf、Nazgul氏が過去にやっていたBlutracheのデモがボーナストラックとして追加収録されているとあって、ファンとしては買わずにおれんかった(´ω`)
ちょうど1stレビューしてなかったし、今回はこれを紹介。
Satanic Warmaster:「Strength and Honour」
寒々しくメロウなトレモロ、オールドスクールなノリ、ギャァギャァ喚き散らす邪悪Vo、ツタツタ2ビート疾走と典型的Transilvanian Hungerスタイル。要所要所でアトモスフェリックなKeyがうっすら被さってくる。
近作に比べるとザクザクスラッシーなオールドスクール色が強く、よりプリミティブな作風。しかしながら、Satanic Warmasterならではの除情味たっぷりのとびきりメロウなメロディは既に完備。3rdなんかに比べるとメロディのクサさ甘さが控え目でより緊張感があり、またここぞとばかりに挿入されるKeyの醸し出す荘厳な雰囲気も絶妙で、ドガドガやたらと荒々しく勢いのあるドラム、テンション高く喚くEvilな高音ガナリVoとあいまって凄まじい荒涼感を放出している。メロウブラックマニアは泣いて喜ぶこと必至だ。
とにかくスピード感や緩急のつけ方が絶妙であり、個人的にこのバンド以上に疾走感が気持ちいバンドは存在しないと言っても過言ではない。メロウなメロディをふりまきながら疾駆する様は鳥肌もんだ。
音質はプリミティブ然りとしたノイジーなもの。適度にRawで寒々しく、各楽器の音はちゃんと聞きとれる理想的な音だ。
聞いたことがないのでオリジナルはどうか分からないが、所有している再発盤と比べると、よりドンシャリの強調された音作りとなっており、シャッキリして籠った感じは後退したが、反面けたたましさがさらに増している。慣れるまでギターが引っ込み気味で聴き取りづらいかもしれないが、まぁ聴きやすい部類に入るだろう。
あと内容についての変更点だけど、#1のみヴォーカルが録り直されている。また#7後半のダークアンビエントなアウトロは削除されている。
ボートラの#8は1stを明るくしたようなノリノリ・Black'n'Rollチューン。キャッチ―なメロディ・ベースラインと「飛ばすぜハイウェイ」的ソロがクールだ。
Blutrache:「Marsch Zu Neuen Zeitaltern」
前述のとおりNazgul氏が過去にやっていたNSブラックメタルプロジェクトの1999年5曲入りデモ。もとはおそらくテープリリース。イントロとアウトロがあるのでブラックメタルな曲は実質3曲。
除情味あふれるメロディがブリザードの如く押し寄せる北欧メロディックブラック。寒々しいメロディのテンションが非常に高く、また#2では荘厳なKey、#3ではアコギを用いたりなどペイガン的な哀愁が感じられスペインのNazgulにも通ずる雰囲気。これは(゜∀゜)カナリイイ!!
あまり歪ませていないStridチックなベースをメロディアスに響かせながら、厚みのある音質でメロウに2ビート疾走/ブラスト爆走する暴風波浪警報発令サウンドはかっこいいことこの上ない。
そして相変わらず邪悪に喚きガナる最高にEvilなボーカルに惚れ惚れしてしまう。
ギターはジリジリノイジーであるが音質はクリア。重さもありチープさは皆無。
微妙にペイガンなポンコツパンクっぽい#4や、青筋立てながらのチョビ髭演説、マーチングドラムに「ジーク!!ハイル!!」の怒号、軍歌などNS丸出しな面も伺える。
プリミティブっぽさはそれほどでもないが、#3はSatanic Warmasterのようにノリがよく多少オールドスクーリッシュ。