Slartibartfass:「Nebelheim」


個人的に今大注目のTrollZornよりリリースされた、女性バグパイプ奏者擁するドイツの若きヴァイキング/フォークメタル、2007年2nd。見た目のパッとしなさとは裏腹に、ドラマー以外全員ハープを演奏できるという素敵すぎるバンド(笑)日本一マニアックな民謡系に強いと思われるHitmanさんにて購入。


フォレスティッシュなどっしり木こりヴァイキング/ブラックに、分厚い荘厳Key、バグパイプ、ハープ、そして最終兵器アコーディオンなどがのっかる、聴いただけでその手のフェチなら泡吹いて卒倒しかねない組み合わせを実現している(かに購入前は思われたw)魅惑のフォーキッシュ・ヴァイキングメタル。


フィンランド系の明るいイメージよりもペイガンチックな土着色が強いかな?特にバグパイプが大乱舞する#3なんかはPagan Reign1stみたいな雰囲気。あそこまでヤボったくはないけどw
曲によってブラックっぽくなったり、パワーメタルっぽくなったり楽曲に幅がある。
ギターのリフはザクザク正統派ヴァイキング+少々のKorpiklaani1stといった感じで、時折まんまRunning Wildになる。Nomans Landとか好きな人にウケそうな感じ。
リズムは完全にフォークメタル。ドラムが要所要所で原始的なドラミングをするのがいい味出してます。
ヴォーカルはちょっとヤケッパチ気味のブラッキーな中音ガナリ声。Skyforgerみたいな無愛想で強力な声をしている。
音はちょっと薄いがこの手のマイナーバンドにしてはしっかりしてるかな。


壮大な雰囲気のインスト#1に続き、#2は森奥のフォーク・ブラックといったミステリアスな雰囲気。空気感はいいけど思ったより地味かな?
と思ったところで、とっとことっとこ原始的なドラムに乗っかるバグパイプの出だしがフォークメタラーを一気に熱くさせる#3。これはいい!!血が滾る!!フォレストフルなギタメロ辺境臭を撒き散らすパイプの共演がたまらない爆殺キラーチューン。
そしてアコーディオンのダンサンブルなイントロで幕を開ける#4。キテます!!数秒間悶絶(笑)ダウナーな「ヘイヘイ」の醸し出すキワモノ臭がヤバい。そして目の覚め損ねたようなファンファーレKeyが入ったかと思えばお得意の原始的リズムでビヨンビヨンし、再びアコーディオンに戻る。もう少しがんばれ!!(笑)
#5Running Wild風舞踏パワーメタルにOrkristファンタジックで可愛らしい妖精キーボードがのっかるやっちゃったチューン。何気に悶絶級(笑)
#6はわりかし普通のシンフォニック・ブラックメタル(汗)
#7は哀愁溢れる横ノリ・シンフォ・ヴァイキングブラック。テンションの低いBlack Messiah?w


うーむ、これはキテる(笑)
「洗練されてなさ」に満ち溢れたB級中のB級バンド。
#3がずば抜けてよく、#4#5はそこそこ、あとはわりと普通かな?(笑)
時たまものすごく狭いストライクゾーンをピンポイントで打ち抜く瞬間があるものの、いまいち煮え切らないというか。聴き終わった後耳に残るメロディがあまりないのが痛いところ。ちょっと期待がでかすぎたかな?w
「民謡ヴァイキング最高〜(´Д`*)ハァハァ」と悶絶するより、「あと一歩、あと一歩なんだけどな〜」と歯がゆい思いをする(笑)いや、二歩も三歩も足りないかも(笑)
もっとテンション上げて楽曲にメリハリをつけて、ここぞというところでガツンとキメのギタメロなんかがあれば大いに化ける予感。あと、せっかくパイプ奏者がいるんだからもう少し前面に押し出してもいいのでは?結局#3#7でしか聴けないってんじゃあまりにも・・・ねぇ?(笑)
口が裂けても全員におススメ!!とは言えないけど、B級フォーク/ヴァイキングに理解があるマニアな方なら楽しめる内容であり、かく言う俺も結構気に入ってたりする(笑)
ポテンシャルは高い。今後に期待したい。


・Slartibartfass Homepage
・Slartibartfass @ MySpace:さらに垢ぬけていなさそうな1stもぜひとも聞いてみたいものだ(笑)