SKYFOGER : 「Kauja Pie Saules」


ラトヴィアン・フォーキー・ペイガンメタルバンド、 SKYFORGER の98年1st。さすがになかなか売ってなかったんだけど、最近再発されたのかな?俺が持ってんのはおそらく再発前のもの。
ラトヴィアってバルト三国とかだったっけ?ソ連から独立した。どんな国なのかサッパわからんwこんなマニアックな国のCDを聞くことになろうとはww


ブックレット2ページ目に、旧き良きラトヴィアの文化や、キリスト教徒に虐げられてきた歴史、自分達の思想等が歴史の教科書調に綴られており、
「We just have been fighting for the land of our fathers that belongs to us by right.」
いかに彼らが本気丸出しの愛国者かがヒシヒシと伝わって来ます(笑)
当然歌詞はラトヴィア語。
さらに裏ジャケには、「ナチでもファシストでもないよ」って注意書きがついてます。バンド名に鍵十字入っちゃってんもんねぇ。なんと政治色の強いCDなのかww


そんな彼らは、しばしばアイリッシュホイッスル(喜)バグパイプ(悦)などの素敵楽器を入れてくる、ギターオリエンテッドでストロングな非常に渋いスタイルのブラックメタル風ペイガンメタルをやってらっしゃいます(〃´ω`〃)
ミドルテンポ〜疾走メインでザラザラした埃っぽいギターの薄味メロディを主軸に、時折ハッとするような勇壮ギタメロを絡ませ、力強く邁進する骨太サウンド非常に説得力あります


メインボーカルは吐き捨てっぽいガナリ系。ブラックメタル度三割増の凶悪デスボイス


このバンドの魅力は、随所に挟まれる民謡パートの驚異的なまでのイモ臭さw
前述した楽器の他にも、アコギや、なんかスカスカした安っぽいリコーダー、シャンシャン鳴る鈴など様々な民族楽器を駆使して紡がれる牧歌的フレーズは激しく郷愁の念をかきたてます
そしてなんといってもそこにのっかる強烈なメンバー全員によるおっさん大合唱。これはもうダサさと紙一重とゆーか、もはやダサいwwwきょう日ヴァイキングメタルでもいろんなバンドがいますが、ここまで清々しくダサかっっこいいバンドとなると数えるほどしか思いつきません(笑)でもその危うさが堪らない(´Д`*)ハァハァ
これらのフレーズは実際に昔から伝わる戦歌や民謡をモチーフに、とゆーかまんまのカバーもしているらしく、母の子守り歌的でもあり、漢の哀愁チックでもあり、なんとも味わい深いです。


音質は可も無く不可も無くまずまず。低い知名度にしてはかなり良い方かな?厚みもそこそこだし。この手の音源聴き慣れてなくてもストレス無く聴けるかと。


#1:馬のわななきがバックで五月蠅い(笑)アコギによるインスト。と思いきやしょっぱなからおっさん大合唱全開!!ほぅ(熱い溜息)、これが聴きたくて買ったんだよ(悦)既に八割方満足してしまう自分がいますw
#2:さっきまでの癒し空間がまるで嘘のように不穏な幕開け。ミドルテンポで全く甘えの無いペイガン・ブラックメタル。しかしドラミングなんかは確実にバトルメタルの血脈。ボーカルは当然ダミ声。地味に巻き舌だったり。激しい合戦のSE入ったりなんともムサ苦しい音してます(褒め言葉)
#3:前半は完全にメロブラ。2:20辺りからやっとヴァイキングメタルらしくなってきた!とおもったら小学校の時使ったクラスの安っぽい笛が。なかなかにキテます。軽めの民謡パートを挟んで出てくるこのギターは地味にアリです。うはwww最後のやる気ない呆け気味テノールヴォイスはマニア以外には間抜け極まりないなwwなんかビヨンビヨンしてるし。謎を残す幕引きに呆然ww
#4:疾走チューン。ほのかに異教徒のかほりはすれども依然ブラックメタル。うむ!この曲はなかなか!!ギタメロのテンションが高くて!!
#5:川下りの船上で故国の歌を口ずさむおっさん四人の小さな音楽会的イントロ。もう堪りまへん(´Д`*)そしてはじまる熱きブラックメタル!!否、これは紛れもないヴァイキングメタル!!メインリフ熱い!!なんだこのイントロとのギャップは(笑)中盤さらに加速度的に熱さを増していきます。決して派手ではないけど内に秘めた確かな漢臭さと不屈の闘志がかっこよすぎです
#6:バグパイプで始まる悶絶ダサ民謡イントロ。おっけー、お、おっけー!!!ww続いて無慈悲なブラックメタルへ。なぜだwww終盤とかイービルなノリノリ・オールドスクール・ブラックで素敵。
#7:焚火を囲んで笛吹いてます。そして待ってましたな合唱です!!メロディ素朴過ぎ。ほんと彼らはわかってらっしゃるwwwフクロウなんかバックで鳴いたりしてますが、これは鳴き過ぎでしょう(笑)心にクル素敵なインスト。
#8:イントロかっけぇ!!これだよこれ!!幾重にも重ねられた漢の哀愁ギターがテラセツナス!!そしてリコーダーもギターとユニゾンしちゃったりなんかして、もう、もう感無量です!!そのあとミドルテンポで実に地味な展開。終盤で薄味とはいえメロディがヴァイキングしてます!そして終りの何かを決意したかのよーな勇壮っぷりは全ヴァイキンガーガッツポーズ必至!!雄叫びも入る最後の1分間はヤバい!!
#9:やさしい音色のアコギでアウトロ。で終わるはずがありません(笑)空気を読まずにダカダカメタルギターはいってきたw最後の力を振り絞り、血を吐き這いずりながら進軍するようなものすごい殺気のヴァイキングメタルです!!このメロディもなかなかどーして血の毛が多くてウハウハ。漢泣きの境地ですね。最近たくさん出てきてる民謡ヴァイキングバンドにはこの手の熱さが感じられないように思います。そして笛!!ここでこーくるとは!!これはやばいです!!ガツンと核爆弾級のメロディかましたあと苦悩するようなギターが入って静かに終幕。泣かせてくれるじゃないか(;∀;)



これは恐るべき辺境メタル。武骨で漢らしい、これこそが真のヴァイキング精神です。また、初めて Moonsorrow の2nd聴いた時に感じたなんとも言えない懐かしさに近いものも感じます。
素朴、純朴、殺気(笑)と我が耳を疑う豹変っぷりが一部の変態には堪らないマニア向け音源www若くて派手な民謡メロあってのヴァイキングメタル、なんて考えをお持ちのメロデス上がりの方(失礼w)には間違っても勧められませんww
もうありきたりのヴァイキングは聴き飽きたー、なんて人はこれを聴いて世界の広さを知ろう!!w
あぁ、どっかにほかのアルバム売ってないものか!!;;;