The Monad of Creation / MOURNFUL CONGRIGATION


オーストラリア産フューネラル・ドゥーム・メタル2nd。・・・・・・フューネラル・ドゥーム。なんとも危険な香りがプンプンだ(喜)ただでさえ重く暗く遅いドゥームが、『葬式』と冠してしまってんだからその絶望っぷりはなにをかいわんや(反語)。


1曲目が始まった途端、どよ〜〜〜んと部屋中に負のオーラが充満。アコギも交えてダラダラと垂れ流される絶望孤独感たっぷりのメランコリックメロディ。ドン・・・タン・・・ドン・・・タン・・・と運命の足音をイメージさせる牛歩ドラム。この世全てを呪うかのような怨念が込められた、地ベタをはいずるかの如きグロウル。まさにフューネラル・ドゥーム。凄まじい暗黒世界が広がっています。


そこにあるのは極限まで研ぎ澄まされた絶望や孤独、とりわけ、強烈な寂しさ。圧倒的なネガティヴィティ。ブラック・メタルのかもしだす闇とはまた違ったタイプの闇。どちらかといえばゴシックのそれに近く、頽廃的でどこか儚げな美しさをともなっている。自我の終焉を強く意識させられ、光は見えず、ある意味 XASTHUR 等より救いが無い。そう、美しいのだ。まさにメランコリックの極地、胸を締め付けるような悲しいメロディが涙を誘うことこの上ない。静かな曲調とあいまって、ここまで心に響く曲があろうかというほど胸に響く。


ボーカルは少なめ。呪詛を紡ぐディープなデスボイスはため息にも聞こえ、クリーンボイスによる台詞調のパートの絶望っぷりは筆舌に尽し難い。


終始ゆったりしたリズムにのせられるギターのフレーズは常に悲しく、しかし美しく、聴くものの精神の深い部分に語りかける。ドラムの手数足数が極端に少なくシンプルな音作りのために、ギターのメロディがとてつもない破壊力で胸を突き刺す。しかし、不思議なほどに恐怖はない。狂いや怒りが感じられないからだ。静かに諦め、ただ暗く、暗く、暗い。


これは、もはやメタルを超越した精神音楽だ。実際音源を聞きながらこれ書いてるわけだけど、聞いてるといやがおうにもダウナーな気分になってきて、何だか妙な文体になっちゃったな(笑)それぐらい込められた負のエネルギーが凄まじく、聞いてるうちに「あてられて」しまう。もしこれ聞いて鬱の人が自殺したっつっても全然納得。きっとその死に際は静かで、そして安らかなものであるだろう。メロディのテンションがドラマチックにあがってくると本気で涙しそうになってしまった次第。
あと、上の方で救いが無いって書いたんだけど、、時たま凄く綺麗で神聖なメロがでてくるシーンがあったりして、なんか目の前がさーっと開けた気がして、リアルに救済やら悟りみたいなものを体感してしまった(笑)なんてゆーの、宗教的開眼とゆーか。まぁその後すぐドン底に突き落とされっからやっぱ救いは無いのかもしれんがw
ところが、凹んでるときにこれを聞くと、なんとゆーか、「心が洗われるような」感覚に陥るのだ。確かに沈みこみはするんだけど、自分のモヤモヤした感情を昇華できる、とでもいおうか、不思議とすっきりした気分になる。この感覚がなければただの拷問音源でしかないなと思ったり。
うん、これは癒し系認定だな。


健全な精神の持ち主には全くオススメ出来ないし、普段暗黒音源を聞く人でも相応の覚悟がいると思う。人によっては、音圧もないし、確かに綺麗だけどだらだらで、退屈な音かもしんないけど、スキモノにはたまんないのでは。日々の生活の幸せを再確認するためにも役立つ一枚(笑)


ちなみに、よく知らないけど、フューネラル・ドゥームと称される有名バンドはこの(独り?)バンドと WORSHIP なるバンドくらいらしい。WORSHIPはすでに自殺してるらしいっす(笑)いや、(笑)じゃないだろw


※2007年6月24日、加筆修正。訂正部分は削除線、および黄文字で示した。